「鳥のように空を飛べたら、どんなに気持ちいいだろう… 」
おそらく、多くの人がそう夢見たことがあると思います。
人間はその夢を叶えるために飛行機を発明しましたが、自力で飛ぶ能力は得られていません。
しかし妄想することは自由です。
もし人類が空を飛ぶ生き物だったら、科学的にどんな翼が必要になるのでしょうか?
目次
- 天使の羽より「コウモリの翼」が向いている?
- 飛び方としては「滑空」がベスト
天使の羽より「コウモリの翼」が向いている?
人間は多くの素晴らしいことができますが、自力で空を飛ぶことはできません。
でも、もしそれが可能なら、翼はどれくらいの大きさで、どんな形がベストなのでしょう?
まず大きさについてですが、その答えは個々人の体格によって異なります。
例えば、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校(UNC-Chapel Hill)の生物学教授タイ・ヘドリック(Ty Hedrick)氏によると、体重が約70キログラムで身長が少なくとも1.5メートルある人なら、翼幅は約6メートル必要になると話しています。
これは鳥の体重と翼幅の比率を調べた先行研究(Journal of Avian Biology, 2007:PDF)をもとに、人間の体重であればどれくらいの翼幅が必要になるかを試算するために開発した方程式から弾き出したものです。
しかし人間の体のつくりを考慮するなら、単に鳥の翼を取り付ければいいというわけではありません。
飛ぶためには、翼だけでなく他の特徴も必要になるからです。
神話やファンタジーでよく想定されているのは、鳥の羽毛で覆われたいわゆる”天使の羽”型のものでしょう。
この翼は人間の背中から突き出るようにして生えています。
ただ研究者によれば、人間が天使の翼を生やすには今よりずっと大きな肩甲骨が必要になりますし、さらには翼をバサバサと動かすための飛行筋が新たに必要になり、それは背中から胸部にかけて巻き付くような構造になるので、胸筋がとんでもなく大きくなるといいます。