続いて、アジア・大洋州地域の労働者1人あたりGDPの推移を眺めてみましょう。

図2 労働者1人あたりGDP 実質 購買力平価換算値 アジア・大洋州ILOSTATより

図2がアジア・大洋州地域の労働者1人あたりGDPの推移です。

ブルネイが減少傾向が続いていて、それでもなお2023年で非常に高い水準であるのが印象的です。

シンガポールの上昇具合が非常に大きく、香港も1991年には日本よりも低かったのが2023年には大きく上回る水準です。

他にも、台湾、ニュージーランド、台湾、韓国が日本より低い水準から、日本を上回る水準に変化している事になります。

生産性の順位が下位の国々も少しずつ上昇していますが、その中でも中国の上昇具合は大きいようです。

ただし、2023年の段階でも日本の半分未満とまだ差は大きい事になります。

3. 労働時間あたりGDPの国際比較

続いて、もう1つの労働生産性の指標である労働時間あたりGDPについても国際比較してみましょう。

平均労働時間が長いか短いかで、日本との相対的な水準も変化します。

図3 労働時間あたりGDP 実質 購買力平価換算値 アジア・大洋州 2023年ILOSTATより

図3がアジア・大洋州地域の2023年の労働時間あたりGDPについて国際比較したグラフです。

シンガポール(73.8ドル)がやはり高い水準でアメリカを上回ります。

ニューカレドニア(63.7ドル)、マカオ(60.6ドル)、オーストラリア(58.7ドル)、台湾(57.1ドル)、香港(56.5ドル)、グアム(53.6ドル)、ブルネイ(49.5ドル)、ニュージーランド(45.7ドル)、韓国(42.0ドル)、日本(41.7ドル)と続きます。

日本は労働時間あたりGDPで見ても、アジア・大洋州地域で11番目の水準です。

中国(15.4ドル)、インド(7.9ドル)とこの2か国も生産性の面ではまだ日本と大きな差がある事になります。