トランプ氏の宿願は、一口で言うなら自由を取り戻すことだ。欧米では、ここ10年ぐらい急速に左傾化が進み、左派の意見だけが大手を振っている。そして、それに抗おうとすると、反民主的だの、極右だのという烙印を押される。この閉塞感を打破し、極端に左に寄ってしまった政治の軸を真ん中に戻し、普通の人間の当たり前の常識を取り戻そうというのがトランプ氏の狙いだ。だからこそ、やはり言論圧迫に抵抗し続けているイーロン・マスクとの共闘がある。
Make America graet again! 今、彼らがやり始めたことは革命に等しい。ワシントンDCからは、新しい時代の幕開けの予感がひしひしと伝わってくる。
ただ、目下のところ、この革命に逆らっているのがドイツと、おそらく日本も。この両国の共通点は、米国の忠実な子分であったこと。そして、ホワイトハウスに逆らうことなく、戦後70年間、ひたすら経済発展に勤しんできた。しかし、その秩序がトランプ登場で変わろうとしている。
“トランプ革命”が成功するか失敗するかは五分五分だろう。ただ、それがどんな形で収まるにせよ、その波がドイツと日本にやってくるまでに、それほど長い時間はかからない。だからこそ今、私たちに求められているのは、従順さではなく、独立心だ。そして何より、自分の頭で考え、トランプ政権と協力し、かつ、堂々と渡り合える政治家が熱望される。