イーサリアムレイヤー2「Soneium」がもたらす可能性
もうひとつの大きな発表が、ソニーグループとStartale Group(スターテイル)の合弁会社「Sony Block Solutions Labs」が開発を主導したパブリックブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」の一般公開だ。Soneiumはイーサリアムのレイヤー2技術を活用しており、手数料を抑えながらも高い処理速度と拡張性を持つ。
このチェーン上では、クリエイターや企業が自由にアプリケーション(ゲーム、映像、音楽など)を構築でき、ユーザーの行動データや貢献度が改ざん困難な形で記録される。渡辺氏はこの仕組みを「オープンでグローバルな土地のようなもの」と喩え、特定の企業が管理するクローズドな環境ではなく、誰もが参加できるパブリックなブロックチェーンとして成長させたいと意気込む。
ただし「Soneiumを使って作られるサービスが、どのようにファンの生活へ浸透していくかはまだ未知数だ」とも認めている。今後、グループ内のエンターテインメント企業や外部パートナーと実証実験を進め、ブロックチェーンを活用したアプリケーションが、投機目的に偏らない“健全な”コミュニティ形成を生み出すよう設計していくことが課題となる。