2022年7月・12月(上記緑枠内)もここまでの雇用増が必要であったか疑問で、コロナ発生直後の2020年を除くと、上位3位までがバイデン政権下での雇用増となり、やり過ぎ感は否めない。

※ 2020年通年で政府部門(家計調査)の雇用はマイナス63.9万人である。

さらに報道されているとおり、イーロン・マスク氏が主導する政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)がX(旧Twitter)やテスラなどで効果的であった大幅な人員削減を含む改革を提唱し、政府部門に大幅なメスを入ることがあれば、雇用は大幅なマイナスを記録する月も出てくるだろう。連邦政府職員の採用凍結に加え、リモート勤務を止め、週5日オフィス勤務とする大統領令に署名するなど、リストラが既に始まったと言って良い。

まとめると、政府部門の雇用は、今後は(少なくとも当面は)期待できない。足元で毎月約4万人の雇用増が消えていく形になると思われる(以下グラフは再掲)。

※ 政府部門は、雇用統計年次改定の暫定値で、1,000人の上方修正が見込まれているだけのため、年次改定の影響を受けることはほぼない。

【レジャー・宿泊・飲食】

雇用者数1,710万人、全体の10%を占める「レジャー・宿泊・飲食」部門は前月比でマイナスを記録する月が出ているなど、最近やや陰りはあるものの増加基調が続いている。2024年の1年間の雇用者数は28.5万人増(約2.4万人増/月)である(年次改定は考慮していない数字)。

レジャー・宿泊・飲食は景気の影響をより受けやすい分野である。景気が良く(悪く)なれば、遊びも旅行も外食も行く回数が増える(減る)からである。現在、景気は以前と比較すれば減速傾向にあるため、この分野は全体と比べ場合、景気の影響を受けやすい分、より求人も減速し、解雇もより増加している。

※ 2022年1月と2024年11月を比較した場合、JOLTS全体の求人数は約3割弱の減少に対し、レジャー・宿泊・飲食部門は約4割減少。

※ 2022年1月と2024年11月を比較した場合、JOLTS全体の解雇数は約25%の増加に対し、レジャー・宿泊・飲食部門は約6割増加。