筆者は40代になってから欲しいもの、やりたいことはあまりコスパなどを気にせずドンドン経験するように気持ちを切り替えた。自分の中で明確に価値基準が変わり、経験は常に蓄財より優先する。
以前なら「これはさすがに高すぎるので、体感レベルで違わないコスパの良いものを選ぼう」と考えていたことも今はやらない。少しでも迷ったら買い、少しでも躊躇したら即経験を選ぶ。
子供たちも少しずつ大きくなってきたのもあり、ハイシーズンでもその時期しか行けないなら、コスパを気にせず家族での長期旅行にもたくさんいくようになった。
これらは「自分はお金を持っているのだ」という承認欲求に取り憑かれた稚拙な自慢をしたいわけではなく、「どうせ一生働くのだし老後の心配ばかりでケチケチしていてはもったいない。体力や気力がある今のうちに一生分の思い出をたくさんつくろう」という思考である。
そう、筆者は40代からすでに資産形成優先より、これまで作った資産を使った思い出作りを開始させたのだ。
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自分は60代の定年後の経験はないのだが、あらゆる老人医療や心理学の本を読んでいると「年を取るとお金を使わない。いや、使う力が衰える」という意見で一致している。今の自分はやりたいことがたくさんあるが、20年後そう思わない自分がいる可能性を考えると、ケチケチするのは機会ロスでしかないと感じる。
最悪のケースとして、お金を使いすぎたり、資産運用に失敗して老後に懐が厳しくなっても構わない。どうせ死ぬまで働く。
若い内でなければ人生から喜びを引き出す力も衰える。自分は老後に資産がなくなること以上に、何よりそれが一番恐ろしいのだ。
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