また、多数のセンサーを装着しなければならないため、患者にとって負担が大きく、日常環境での睡眠状態を検査できないという限界もあります。
そこで今回、柳沢氏ら研究チームは「インソムノグラフ」というデバイスを用いて、人々の自覚的な睡眠評価と、客観的な睡眠評価がどの程度異なるのか調査することにしました。
このデバイスは、郵送で簡単にやり取りでき、被験者が自分で装着可能な使いやすい設計となっています。
従来のPSGに匹敵する精度を持ちながら、日常生活環境での測定が可能なのです。
多くの人が自分の睡眠の時間や質に誤った評価を下している
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研究チームは、日本在住の20~79歳の421名を対象に、最大6晩にわたり詳細な睡眠データを収集しました。
自宅で使用できるデバイス「インソムノグラフ」を用い、脳波と血中酸素飽和度を測定しています。
脳波データは、睡眠の深さや睡眠ステージ(ノンレム睡眠、レム睡眠)を判別するための最も信頼できる指標です。
覚醒頻度や深い睡眠(N3)の割合を測定することで、睡眠の質や回復度を評価できます。
血中酸素飽和度データは、睡眠中の酸素レベルの変動を示したもので、無呼吸や低酸素症のリスクを特定できるため、特に睡眠時無呼吸症候群を発見するのに役立ちます。
そして、これらインソムノグラフで得られたデータを医師が分析し、客観的な睡眠評価を下しました。
加えて、被験者には睡眠に関する質問票を記入してもらい、これらの主観的評価と客観的評価を比較しました。
これにより、自覚的な睡眠感覚が客観的指標とどの程度一致しているのかが分析されました。
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