財政金融の一体改革が必要
トランプ米大統領の就任演説、石破首相の施政方針演説、それと日銀の0.25%利上げが続きました。大統領、首相、中央銀行総裁らの言動は大々的に報じられている。メディアでは表面的なことばかり詳細に報道され、腹の中ではかれらが何を考えているのかが伝わってこない。
彼らは自分に都合のいいことは大声で言います。トランプ氏は「米国第一で黄金時代が始まる」と、大言壮語しました。すでに米国は最強の国であることを知っているのに「米国は間もなく、過去にないほど偉大で力強く、特別な国となる」と。自分の手柄にしたいのです。テレビのワイドショーのようです。
企業の実力を計る株価時価総額の世界ランキングは、上位5社は米国、上位10社中、9社が米国、上位50社中、35社が米国と、圧勝です。ドルは世界最強で、NYダウも好調です。他国からみると、トランプ氏以前からすでに米国は「黄金時代」なのです。日本の新聞何紙かは、真に受けて、一面見出しを「米国第一で黄金時代」で飾りました。トランプ氏のワイドショーにのせられています。
石破首相の演説(24日)にも違和感があります。「楽しい日本」にするのだそうです。日本を巡る国際情勢の悪化、インフレ.円安による暮らしにくさ、財政金融の危機的状態などをどうにもならない問題が山積しているのに、「楽しい日本を目指す」とは、何なのか。場違いな発言です。トランプ氏の「黄金時代」、石破氏の「楽しい日本」といい、政治家にはもっと実態に基づいた言動を求めたい。
24日には、日銀が金利を0.25%上げ、0.5%にしました。円安が長期化し、消費者物価は3年連続で2%超です。24年度は2.7%、25年度は2.4%、26年度は2.0%(日銀見通し)とインフレが続くのに、植田総裁は小幅な利上げにとどめました。アベノミックスで掲げた「物価目標2%」をとっくに超しています。実質金利は英2%、米1.5%に対し、日本は△0.3%で引き締め状態になっていません。
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植田総裁と会談する石破総理 令和6年10月 首相官邸HPより