同時に、民主化後、同国社会は急速に世俗化していった。カトリック教会の中絶絶対禁止という教義に多くの国民は抵抗と失望を覚えている。ワルシャワでは10万人を超える抗議デモが行われた。教会の壁に落書きが書かれ、礼拝が妨害されるという事態が生じたことはまだ記憶に新しい。
同国のカトリック教会司教会議は憲法裁判所に今回の教育相の決定を提訴する意向と言われるが、それ以上に聖職者の未成年者への性的虐待問題を調査し、国民の前にその全容を報告、謝罪することが先決だろう。一旦信頼を失うと、それを取り戻すことは至難だ。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年1月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。