実際、2007年に発表されたイギリスのケンブリッジ大学の研究によると、ウツボカズラの捕虫成功率は、開口部が濡れている状態では捕虫成功率が80%以上に達しますが、乾いている場合にはほぼゼロに近いと分かりました。

この部分のの湿り気は、雨や結露、さらには植物が分泌する蜜によってもたらされるため、植物の状態だけでなく、気候が捕虫効率に影響を与えると分かります。

ウツボカズラは環境条件に応じて捕虫成功率が大きく変化する食虫植物だったのです。

もちろん、ハエトリグサやウツボカズラ以外にも食虫植物は存在しています。

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(左)モウセンゴケ、(右)ムシトリスミレ / Credit:(左)Canva, (右)Wikipedia Commons

例えば、モウセンゴケ(学名:Drosera)やムシトリスミレ(学名:Pinguicula)は、葉に分泌される粘液で昆虫を絡め取る粘着式の捕虫方法を持つ食虫植物です。

その粘液には消化酵素が含まれており、捕らえた昆虫から栄養を効率的に吸収します。

そしてこれらの粘着式の捕虫方法は、小型の昆虫に対して高い効果を発揮すると考えられています。

このように、食虫植物の捕虫成功率は、植物の種類、対象となる昆虫の大きさ、そして環境条件によって大きく異なります。

動画のように、時に獲物に逃げられる場面が発見されるのも、何ら不思議ではないのです。

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参考文献

The Wonderful Venus Flytrap: Marginal Spikes Form a “Horrid Prison” for Moderate-Sized Insect
https://everyday-evolution.org/uncategorized/the-wonderful-venus-flytrap-marginal-spikes-form-a-horrid-prison-for-moderate-sized-insect/