古代の波紋と液体の水の存在
カリフォルニア工科大学のジョン・グロッチンガー氏、ハロルド・ブラウン地質学教授、マイケル・ラム地質学教授は、Science Advances誌に発表した論文で、火星の表面に古代の波紋の痕跡を発見したと報告した。
波紋は、地球の砂浜や湖底などで、風が水面に作用することで生じる小さな起伏だ。研究チームは、この発見が、かつて火星に氷に覆われていない液体の水が存在したことを示す強力な証拠だと考えている。ゲール・クレーターで見つかった波紋は、火星の地質史の中で液体の水が存在したことを示すこれまでで最も確かな証拠だ。岩石と波紋の分析から、これらは37億年前に形成されたと推定される。
当時の火星の気温と大気密度は現在よりもはるかに高く、液体の水を維持できるほどだったと考えられる。