太陽系外から訪れた、木星の8倍の質量を持つ天体が約40億年前に太陽系を通過し、木星、土星、天王星、海王星という4つの巨大惑星の軌道を永久的に変えた可能性があるという研究結果が発表された。この仮説が正しければ、太陽系の惑星の軌道に関するいくつかの謎を解明する手がかりとなるかもしれないという。
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惑星軌道の不思議な偏差
太陽系の惑星は、太陽の周囲を完全な円形で回り、同一平面上に配置されるべきだと、ほとんどの形成理論は予測する。しかし、実際には8つの惑星の軌道は完全な円形ではなく、わずかに楕円形をしており、平面上にも完全には揃っていない。特に巨大惑星の軌道は微妙な偏差を示しており、その原因の解明は長年、天文学者たちを悩ませてきた。
アリゾナ大学の惑星科学者レヌ・マルホトラ氏は、「惑星の軌道がどのようにして完全な円形から現在の形に変化したのかを説明することは、理論天体物理学の長年の課題だった」と述べている。