金子翔太(ジュビロ磐田所属時)写真:Getty Images

J2の藤枝MYFCは1月20日、昨2024シーズンをもってジュビロ磐田との契約満了が発表されていたMF金子翔太を完全移籍で獲得した。金子は栃木県日光市出身であることから、J3の栃木SCか栃木シティへの移籍も噂されたがJ2に残留。金子にとって、清水エスパルス(2014-2021)、磐田(2021-2024)に続く静岡県内3クラブ目となった。

金子は藤枝の公式ホームページで「藤枝のサッカーと須藤(大輔)監督の熱意、クラブのビジョンに惹かれて加入を決断しました。自分もこのクラブと共に成長して、もう一度自分の価値を証明したいと思います。また、今回チームが決まらず不安な日々を過ごしている自分に対して、このオフシーズン多くの方に支えていただきました。本当にありがとうございます」と感謝を述べ、「サッカーができる喜びを噛み締めて、自分のプレーと結果で恩返ししたいと思います。藤枝MYFCに関わるすべての方と一緒に、J1への切符を掴みたいです。簡単な道のりではないですが、エネルギーに満ち溢れている自分に期待してください!」と力を込めた。

金子の獲得は、昨季のJ2リーグで16得点を挙げたFW矢村健がレンタル元であるJ1アルビレックス新潟に戻り、ストライカーが補強ポイントだった藤枝にとっても効果的な補強と言える。ここでは、プロ11年目を迎えようとしている金子のキャリアを振り返り、その転機について考察する。


金子翔太(清水エスパルス所属時)写真:Getty Images

運動量と突破力を生かしたプレースタイル

今年5月に30歳を迎える金子は、2008年JFAアカデミー福島に3期生として入校。ところが2011年の東日本大震災と、それに伴う福島第一原発事故によって、広野町、楢葉町、富岡町が全域避難の対象となり、チームごと静岡県御殿場市に拠点を移すなど、苦難に満ちた青春時代を送った。