記者らの不信感は消えず、2024年12月12日と13日にも抗議ストが決行されたが、18日、買収が正式決定した。移行期間を経て、新オブザーバー紙の発行は今年春の予定だ。

数年前に生まれたばかりのデジタルメディアが200年余の歴史を持つ新聞を買う。メディア環境の激変を象徴するような話だ。

ハーディング氏は紙での発行を続けると確約しているが、紙の新聞を買うという習慣が廃れていく中、長期で見て本当に継続できるのかは疑問だ。また、サイトが「有料の壁」に入るとき、社会の中での存在感が薄れてしまうのではないだろうか。

「新聞協会報」(1月1日付)に掲載された、筆者コラムに補足しました。

編集部より:この記事は、在英ジャーナリスト小林恭子氏のブログ「英国メディア・ウオッチ」2025年1月15日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「英国メディア・ウオッチ」をご覧ください。