また、プレジデント(オーナー)が、5分~18分の間あるいは20分~38分の間にPKを1本蹴ることができる「プレジデントペナルティ」なるルールも存在する。さらに、18分で試合が中断され、スタンドからゲストが振った巨大なサイコロの出た目の数に応じて、残り2分の間のピッチ上の人数が決定。その人数の選手がゴールラインに集まり、前半の残り2分はボールの奪い合いとなる。
他にもここでは書き切れないほどの特殊ルールが存在し、サッカーをベースとしながらも、とことんエンタメに特化しており、ルール変更も頻繁に行われている。
スポーツかエキシビションか
チェアマンのピケ氏は、このスポーツを立ち上げた動機として若者のサッカー離れを指摘し、「サッカーの90分という時間は長過ぎる。タイムパフォーマンスを重要視するファンに受け入れられるコンテンツとして世界に発信したい」と胸を張っている。タイパ重視の流れは日本のZ世代だけの話ではないようだ。
スペインでは人気が爆発し、バルセロナの本拠地カンプノウや、アトレティコマドリードの本拠地エスタディオメトロポリターノを満員にした。YouTubeやTikTokなどでの配信では、約200万人が視聴したという。また、キングス・ワールドカップ・ネーションズは、日本でもDAZNや、キングス・リーグ公式YouTubeで配信された。
キングス・ワールドカップ・ネーションズ2025で、人気YouTuberの加藤純一氏がオーナーを務める日本代表のムラッシュFCは、いきなり初戦で開催国イタリア代表を破る大金星を挙げたが、その後アルゼンチン代表とモロッコ代表に敗れ、準々決勝進出を逃した。しかし、この試合結果を日本のスポーツメディアが報じた様子はない。これはスポーツではなくエキシビションと判断されたのだろう。