私もマネーの話をよくしますが、コメントには長期投資一辺倒という方もいらっいます。一方、日経には時々、マネーの達人が紹介され、個人運用資産〇億円という方が日々パソコンの前で戦っている記事もよく目にします。東京やNY市場では日々、とてつもないボリュームの株式が売買されていますが、それらの多くは長期投資のマネーのポジションではありません。コンピューターの自動売買、アルゴリズムやテクニカル指標で運用するといった短期中期のポジションが大きいのです。あるいは年金基金などは運用目標設定があり、そこに達すると自動的に売却するようなところもあります。
投機と投資は何が違うか、といえばリターンを得る方法が違うだけです。投資は長期的に、会社の長期成長に期待するという名の放置プレーで配当などのリターンを得る一方、投機はせっかちに稼ぐことです。
このブログをお読みの方に釣りをされる方もいらっしゃるでしょう。釣りが上手な人と下手な人の違いは何でしょうか?上手な人は短気なので場所を変え、仕掛けを変え、餌を変えるのです。下手な人は太公望というぐらい気長に待ちます。
ではこれを投資に当てはめると「短気」は「短期」なんです。つまり投機で勝ち抜く人が爆発的なリターンを得ることもあるのです。但し、その継続的な成功率は極めて低いと申し上げておきます。1度や2度の投機で成功しても3度目にその10倍返しの損をすることはごく日常的なのです。但し、それが悪いとは私は思いません。なぜならそれは投資家が自分の頭で考えた結果だからです。つまり他人任せにしないこと、これは大事でここで多少なりとも授業料を払えばマネーについてもう少し理解度が深まるのです。結果として中長期投資にシフトするならそれはそれがその人の体得したスタイルなのです。
投資のスタイルに良し悪しをつける意味はありません。スタイルは個人の信条であって市場はもっとグローバルな参加者がうようよしています。また会社の栄枯盛衰は99%の企業で必ず起きています。永続的に成長するところは極めて少ないのです。株価が何十年とまっすぐ右肩上がりの会社はまずない、だからこそ、自分で考え、自分で判断する癖をつけること、これが財を成す第一歩だと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年11月29日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?