そこで銀行や証券会社が悪魔のささやきをするのです。「プロのファンドマネージャーがインベストメント ポートフォリオをしっかりマネージさせて頂きます」と。お前、何語をしゃべっているのだ、と言いたくなるほど横文字のオンパレードだけれど「はい、よろしくお願いします」と降臨してしまうのです。これであなたは宝くじと同じで投資を運に天に任せたようなものです。運用する側は売ったり買ったりして立派で詳細な報告書を送ってくれますが、なんのこっちゃ、ほとんど見ることもなくゴミ箱行きになっているはずです。

イーロン・マスク氏が昔、こんなことを言っています。「自分の財産を投じる覚悟がないなら、投資家に投資を求めてはならない。(中略)友人や投資家が損失を被るくらいなら、自分が損失を被るほうがましだ」(東洋経済)と。私はこの意味を他人任せにするな。投資信託で損をするぐらいなら自分で投資して損した方がましだ、という解釈をしています。

さわかみ投信の澤上篤人氏が日経のコラムにこんなことを記しています。「世のファイナンシャルプランナー(FP)たちが学んできた資産形成と管理の方法論にも、抜本的な見直しが迫られている。米国を中心に40年ぶりの金利上昇局面に遭遇している。そうした中、ほとんどのFPが未経験の領域に放り込まれて、対応が分からず右往左往しているのだ。(中略)これまでの常識が通用しなくなる時代、どのように資産形成・運用をすればよいのか。FPたちは一から勉強し直す必要があろう」。

今、投資については難しい時代にあります。かといって普通預金に預けていればあなたの財産は毎年数%ずつ減っていきます。銀行が手数料をかけているわけではなく、今の100万円は来年の98万円の価値しかないのです。せめてインフレ率と同等のリターンを得ないとあなたの資産はどんどん減っていくことになるのです。