お客さんを飽きさせない
「いきなり!ステーキ」はファミリー客を重視した店舗への転換を進めているが、競合も多いなか、生き残って成長していくことは可能なのか。
「これについてもお客さんの声に耳を傾けていくことで可能だと思います。ステーキを食べたいというニーズ、ステーキを食事として選ぶ層は一定数います。このパイの奪い合いとなりますから、お客さんの選択肢に残り、選ばれる理由が必要です。
ファミリー層は子どもに選択権があることが多く、『今日はどこに行きたい?』と親が聞いて子どもが出す案が優先されます。もし、ファミリー層を狙うとしたら、子供の心を掴む『遊び心』やサービスが重要になることでしょう。逆に都心部でサラリーマンや一人暮らしの人をターゲットにするのなら、ボリュームや価格などの『お得感』が近隣他店よりも勝っていることが重要になります。
昨今お客さんは安ければいいという人ばかりではありません。味やボリューム、サイドメニュー、サービス、居心地など、いろいろなものが複雑に影響して、最終的にはお客さんの感情で『あっちのお店よりはここだな』と思ってもらえれば成功です。これらはお客さんの声、ニーズに表れてきますので、やはり現場からの情報吸い上げとその活用がカギとなることでしょう」(江間氏)
では、今後について懸念などはないのか。
「現場の声のなかには雑音が混ざることもあります。『お客さんの声』というのは、従業員個人の感覚であって、正しくない場合もあります。それに惑わされてしまうと迷走につながります。ただし、複数の従業員から同じような話を聞くようになってくると、本部としては見過ごすわけにはいきません。これらの情報の取捨選択が必要になります。
いったんは業績が回復しても、それがずっと続くとは限りませんし、続かないほうが多いものです。絶えずアンテナを張り、お客さんを飽きさせないということも必要です。新しいライバルも出現することでしょう。今の時代のお客さんは好奇心旺盛なので、料理に飽きてしまうこともあります。これらには兆候が表れますから、うまくいっていることは継続しながら、絶えずアンテナを張って前進していく姿勢が必要だと思います」(江間氏)
(文=Business Journal編集部、協力=江間正和/東京未来倶楽部(株)代表)
提供元・Business Journal
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?