例えば、初対面の人に「〇〇さんはスリム体型ですから、体の線が引き立つ服がよく似合いますね」などと褒めることで、相手の気分を高めて、距離感をぐっと縮めやすくなります。
この場合、ポイントは「〇〇さん」と相手の名前を主語にすることです。
先ほどの例文ですと、実際には世の中にスリム体型の人はごまんといるので、その服が似合う人はたくさんいるでしょう。
しかし名前や人称(「あなた」とか「キミ」も有効)を主語に持ってくることで、相手が「私だけのために話してくれている」と感じてよりバーナム効果が起きやすくなり、あなたへの信頼度も高まって、その後のコミュニケーションがスムーズになると期待できます。
これは恋愛面でも応用できるテクニックです。
「〇〇さんって、とっても純粋ですね」とか「〇〇さんは人の気持ちがよくわかる方ですね」というと、たとえそれが多くの人に当てはまることであっても、相手は「私ってやっぱり純粋なのかな」「俺って人を思いやることが上手いんだ」と思うようになります。
そして相手はその気づきを与えてくれたあなたに好感を持つようになるでしょう。
また仕事面では、あなたがチームのリーダーだとすると、部下に対して「きつい仕事なのに君はよく頑張ってくれているね」と話しかけると、部下は「この先輩は自分のことをよく観察してくれている」と、あなたへの信頼度も高まりますし、部下の仕事の生産性も高まると期待できます。
これは部下から上司に対してでも同じです。
「先輩って厳しさの中にも優しさがありますよね」などと言ってみると、上司が優しく声かけしてくれることが今まで以上に増えるかもしれません。
このようにバーナム効果はうまく応用することで、仕事やプライベートにおけるコミュニケーションを円滑にし、他者との親密さをより深められると考えられます。
ただしこれは何事にも言えることですが、バーナム効果の使い過ぎや悪用は厳禁です。