歴史は人類の進歩を推し進めた天才たちの功績で彩られている。しかし、中にはその輝かしい業績の後に、不可解で謎めいた死を迎えた発明家も少なくない。彼らの死は、革新的な発明が原因で命を狙われたのか、それとも単なる不運な事故だったのか。 今回紹介する10人の天才発明家たちは、歴史に偉大な足跡を残すと同時に、その死の真相に多くの疑問を残している。
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【1】映画の父、ルイ・ル・プランス:謎の失踪事件
19世紀後半、ルイ・ル・プランスは、トーマス・エジソンに先駆けて動画技術を発明し、娯楽の世界に革命を起こそうとしていた。1888年には、歴史上初の動画とされる「ラウンドヘイの庭の場面」の撮影に成功。1890年には、アメリカで発明を公開する準備を進めていた矢先、ディジョンからパリへの列車移動中に謎の失踪を遂げた。遺体はもちろん、所持品も見つからず、彼の功績はエジソンの影に隠れてしまうことになった。
失踪の真相については、エジソンが競争相手を排除するために関与したという説、家族間の内紛が原因とする説、産業スパイが貴重な技術を奪おうとしたとする説など、様々な憶測が飛び交っている。映画界の覇権争いが、ル・プランスの運命を狂わせたのかもしれない。