さらにピラニアたちは死肉をターゲットにするので、人が負傷したり溺れたりして弱った状態で水中を漂っていると襲われるリスクが高まります。

実際、2011年にはボリビアで酒に酔った18歳の男性がカヌーから飛び降り、ピラニアに襲われて死亡するという事件が生じました。

また2015年にも、ブラジルで6歳の少女がカヌーの転覆により川の中に落ち、亡くなりました。

彼女はピラニアに襲われており、腰から下の骨が露出した状態で発見されたという。

とはいえ、ピラニアに襲われたことが直接の死因となることは稀です。

ピラニアに襲われる事件はこれまで多く生じていますが、大抵の場合は手や足に軽傷を負うだけで済んでいます。

致命傷になることはほとんどありません。

むしろ、人が川に落ちて溺死し、その遺体をピラニアが食べるケースの方が多いのです。

では、このような動画をどう説明できるでしょうか。

動画を見る限り、ピラニアは非常に凶暴で、人間すらあっという間に食べてしまいそうです。

しかし実は、このような光景の多くは、人々が作り出したショーです。

例えば、元アメリカ大統領セオドア・ルーズベルト氏は、1913年にブラジルのアマゾンを訪問した際、「1頭の牛が川に突き落とされ、ピラニアの群れによって食い尽くされ、あっという間に骨になる」という光景を目撃しました。

ただしこれは、地元の漁師たちによって仕組まれたものでした。

彼らはルーズベルト氏に忘れがたい体験をしてもらうため、あらかじめ川の一部を網で封鎖し、その中に大量のピラニアを集め、数日間飢えさせていたのです。

同様に水族館でも、ピラニアを大量に集め、空腹状態にし、興奮させるなら、獲物を食い尽くす光景を作り出すことができます。