この動画では、水の中に入れた魚の死体が、大量の小さな魚によって一瞬のうちに食い尽くされています。

この小さな魚の正体は「ピラニア」です。

「もし、水の中に入れたものが、魚の死体ではなく人間の腕だったら」と考えるとぞっとしますね。

ではピラニアは、川に落ちた人間を食い尽くすことがあるのでしょうか。

ピラニアの生態や過去の事例を解説します。

目次

  • 噛む力は生物の中で最強の「ピラニア」
  • ピラニアは人間を襲うのか

噛む力は生物の中で最強の「ピラニア」

ピラニアはフィクション作品の中ではかなり恐ろしい魚として描かれることがあり、実際の映像でも恐怖を煽るようなものが数多くあります。

しかしピラニアは本当にそれほど凶暴なのでしょうか?

私たち人間がピラニアに食い尽くされて死ぬようなことはあるのでしょうか?

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ピラニア / Credit:Canva

ピラニアは、アマゾン川や南アメリカの熱帯地方に生息する肉食の淡水魚の総称です。

主に、カラシン目セルラサルムス科セルラサルムス亜科(Serrasalminae)に属する種を「ピラニア」と呼びますが、実際には分類が曖昧な種もあります。

体長は様々で、小型の種は15cmほどですが、大型種になると60cmにもなります。

ピラニアという名前は、現地のトゥピ語から来ており、「歯のある魚」という意味があります。

魚の歯はその種類によって形や役割が様々ですが、ピラニアは、その名前の通り、歯に大きな特徴があります。

硬くて鋭く尖ったまるでナイフのような歯を持っており、獲物の肉や骨を食いちぎるのに適しています。

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ピラニアは鋭い歯と強力な顎を持つ / Credit:Wikipedia Commons