欧州では難民、移民問題が大きな政治、社会問題となっている。文化圏が異なる出身の難民が欧州のキリス教圏で統合するために様々な葛藤や戦いを経験する。一方、彼らを迎え入れる側は異なった文化圏出身の難民に対して時に偏見や敵愾心が生まれてくる。欧州の政界が右傾化してきたといわれるが、その背景には、文化圏と他の文化圏の衝突といった構図が見られる。

アブラハムから派生したユダヤ教(長男)、キリスト教(次男)、そしてイスラム教(3男)の3兄弟の歴史を振り返る時、3兄弟が連携し、結束するならば、高度の文明が広がるのではないか、といった希望が湧いてくる。特に、ユダヤ教とイスラム教は常に犬猿の関係ではなかったのだ。パレスチナ問題を考える時、ユダヤ民族とイスラム教徒の和解は必ず実現できるという希望が生まれてくる。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年1月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。