我が家でも数年前に長女が20歳で成人を迎え、振り袖を着せて写真撮影なども行った。昨年は次女が18歳で成人を迎えた。親として、どのタイミングで振り袖を着せたいや、成人をこのタイミングで祝いたいは、それぞれに考えがあることだと思う。

ただ、そのことと、行政が市民の税金でイベントを実施するということでは、意味が大きく異る。税金を使って実施するからには、政策目的と効果を明確に説明する責任があるからだ。

ちなみに市川市の公式サイトでは、「成人(大人)になるあなたへ」として、「成人の日」や「成人式」についての説明が書かれている。

「成人の日」は、1948年に制定された「国民の祝日に関する法律」に、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます日」と規定されています。年の始まりとともに、全国各地で「成人式」が執り行われ、新成人の門出が祝われています。かつての「元服の儀」が正月に最も多く行われていたことや、松の内の日を選んで、当初1月15日に定められましたが、1998年の法改正により、一月の第二月曜日に改められました。この「成人式」は、終戦直後、多くの人が心に傷を負うなかで、未来を担う若者たちに希望を持ってもらうために埼玉県蕨町(現在の蕨市)で企画された「青年祭」が由来であるとされています。市川市では、「新成人の門出を祝い、大人の自覚を促す」という趣旨のもと、昭和31年より成人式「新成人の集い」を開催しています。

とされている。

このどれを読んでも成人の日は新成人を祝うものであり、それ以外の成人を祝うとすることの説明はまったく成り立たない。

憤りを感じるのは大きく3つの点

個人的に、今回の問題で憤りを感じているのは大きく3つだ。

最も重要だと思う1つ目は、18歳選挙権から18歳成人まで、自分たちは15年から20年かけて、この国の未来を大きく変えていこうと働きかけてきた。この背景には、未来を担う若者たちが活躍できる社会にしていこうと、世界では多くの国が18歳から成人として選挙権も与えており、日本においても世界標準になることを目指した。