この結果、2023年夏にユナイテッドがラッシュフォードを破格の高額年俸で引き留めるのは当然の成り行きだった。2028年までの契約を当時のプレミアリーグ最高の年俸で契約。しかし、残念ながらパフォーマンスは翌2023/24シーズンになると急に落ち込み、43試合出場8ゴール5アシストと、前シーズンと比較すると散々な結果に終わった。
そして今2024/25シーズン、ラッシュフォードはルベン・アモリム監督の下で冷遇されている。ユナイテッドの幹部にとって、彼の将来をどうするかは頭の痛い問題となっており、その最大の障害が高額な給与であることは明白だ。円満な退団への道筋は、いまだ見えていない。
デレ・アリ(トッテナム・ホットスパー)
2018年にトッテナム・ホットスパーがMFデレ・アリ(現無所属)に長期かつ高額な契約を与えたのは、理にかなった判断と考えられていた。現アメリカ代表のマウリシオ・ポチェッティーノ監督がトッテナムを率いていた時代(2014-2019)の中でクラブが最も輝いていた2018/19シーズンにおいて、アリは驚異的な活躍を見せていた。
アリは、2018/19シーズンCL決勝のスターティングメンバーとして出場。クラブ史上初のCL決勝進出という驚くべき結果の一方で、アリを含めた個々の選手のパフォーマンスやポチェッティーノ監督が進めるプロジェクトには問題が明らかにあったが、その問題点は快進撃の成功によって見えにくくなっていた。
その結果、トッテナムは2019/20シーズンに入ると失速し、リーグ開幕から12戦で3勝と絶不調に陥ると、まず、ポチェッティーノ監督が解任された。ジョゼ・モウリーニョ監督(現フェネルバフチェ)が就任したが、アリの事態を好転させることはなかった。当時の様子はドキュメンタリーシリーズ『オール・オア・ナッシング:トッテナム・ホットスパーの再興』にも描かれている。