多くの人にとって「時間の欠如」がトレーニングへのハードルを高めている現状を踏まえると、強度を高めるといった他の要素で漸進性過負荷の原則を守るとしても、セット数を増やし続ける必要はないのかもしれません。
今回の2つの研究は、ともにトレーニング経験が豊富な筋トレ愛好者を対象としたものですが、毎セットできなくなるまで追い込まなくても、また週あたりのセット数を増やさなくても、トレーニング効果が得られることを示しています。
これらの研究は、筋トレ愛好家に向けて、適度と適度の境目を示してくれる貴重なデータとも言えそうです。
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参考文献
Is Training to Failure Better For Hypertrophy?
https://barbend.com/is-training-to-failure-better-for-hypertrophy/
元論文
Similar muscle hypertrophy following eight weeks of resistance training to momentary muscular failure or with repetitions-in-reserve in resistance-trained individuals
https://doi.org/10.1080/02640414.2024.2321021
Training Volume Increases Or Maintenance Based On Previous Volume: The Effects On Muscular Adaptations In Trained Males
https://doi.org/10.1152/japplphysiol.00476.2024
ライター
髙山史徳: 大学では健康行動科学、大学院では体育学・体育科学を専攻。持久系スポーツの研究者として約10年間活動。 ナゾロジーでは、スポーツや健康に関係する記事を執筆していきます。 価値観の多様性を重視し、多くの人が前向きになれる文章を目指しています。