残念なのは、「日本もインドネシアの給食制度の支援をしたい」と石破首相が表明したことだ。SNSなどでは、かなり否定的な反応が見られる。子どもの貧困が広がっている日本が、なぜインドネシアの給食制度を支援できるのか、というわけである。
日本の給食制度をふまえて、日本人がインドネシア人と協働できる余地があるのであれば、それは良いことだ。ただ、67歳の石破首相や、他の外務官僚の頭の中に、万が一にも、日本は先進国で、インドネシアは発展途上国、という意識が過剰に存在しているなどということがあったら、懸念しなければならない。
BRICSは、インドネシアを正式加盟国として認め入れた。だがG7諸国のほうだけは、頑なに「まだまだいつまであってもインドネシアは発展途上国だ」と力説し続けるのだとしたら、これは由々しき事態である。
インドネシアとマレーシアは、イスラム圏の有力国でもある。私は、過去1年以上にわたり、ガザ危機対応の機会に、日本はインドネシアやマレーシアなどと連携を深めていくべきだ、と書いてきた。