逆に、これは史実、あれは違うと、あたかも「大審問官」かなにかのようにエラソーな判定を下しながら、実際はすでに自分が持っている価値づけを前提として、それに沿う形でのみ、過去からファクトをつまみ食いする歴史は、ニセモノです。

戦後80年を「キャンセルをやめる年」に|Yonaha Jun
あけましておめでとうございます。去年の師走に「2020年代の前半」が終わるという観点で、私たちの生きてきた時代を振り返るインタビューを出していただいたのですが、いよいよ2020年代も後半戦です。
世界は無根拠、だけど怖くない 與那覇潤氏インタビュー - 教育図書 アメリカでトランプ氏が再び大統領に選ばれ、日...

辞めたおかげで遠慮なく本当のことが言えるわけですが、歴史学者って、はっきりいって大審問官が多いんですよ(苦笑)。歴史のイエスに出会うにはむしろ、まったく異なる素材と方法がいる。

今年の5月に刊行予定の新著では、まさしく戦後史を「イエスに出会える」新たな手法で読者にお届けする所存ですが、今回のコラムはその先触れだと思っております! どうぞ、多くの方の目に留まりますなら幸いです。

(ヘッダーは現代ビジネスの記事より)

編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2025年1月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。