2024年、オールレッドになるかはブルーウォール次第

2024年の大統領選はブルーウォール(MI州・WI州・PA州)次第で決まるといっても過言ではない。ブルーウォールでトランプ氏が2州勝てば、オールレッドになる可能性は高い。このあたりは、過去ブログ「TRUMP VS. BIDEN REMATCH 2024」をご覧ください。

そして、本ブログで述べた通り、上下院で共和党が多数党を獲得できる可能性が高い。上院が議席数を逆転しただけで下院はほぼ変わらない構成になるとみている。

上院:共和党 51議席 民主党 49議席 (共和党+1議席) 下院:共和党 220議席 民主党 215議席 (共和党+2議席)

共和党は数議席差の多数党となり、何らかの理由で投票を欠席したり、数名でも反対がでたら法案は可決できなくなる。もっとも上院ではフィリバスター回避のために60票必要なので厳しい。

共和党マカウスキ上院議員はトランプ氏に投票しない可能性をほのめかしたり、マコネル少数党上院院内総務は未だにトランプ氏支持を表明していない。

すでに共和党はトランプ氏が大統領候補として決まったようなものだが、未だに大統領候補として支持していない上院議員は15名弱いる。

なので、オールレッドではあるがトランプ氏の政策が実現するかというと別の話となる。今の共和党が団結して取り組めるのは減税と化石燃料を復活させるエネルギー政策くらいではなかろうか。アンチ・クリーンエネルギーについては意見が分かれるところだろう。

大統領権限は確かに強力だが、立法を担う連邦議会選挙で勝利しないと立法や高官の承認は思うように進まない。

2016年ー2020年の第一次トランプ政権を振り返れば、共和党内で意見が一致せずに政府閉鎖を起こしているし、トランプ減税は成功したものの、オバマケア廃止には失敗している。オールレッドになったといっても、スムーズに政策が進むとは思いにくいのだ。

注1) Ballotprdia.org 注2)Federal court upholds DeSantis-backed congressional map 注3)South Carolina to hold 2024 congressional elections with map previously ruled unconstitutiona 注4)The fight to flip the House just got harder for Dems. And they have New York to blame. 注5)North Carolina Supreme Court clears way for partisan gerrymandering 注6)New congressional maps approved in New York 注7)Race to House majority runs through the 10 Toss-ups 注8)2024 CPR House Race Ratings 注9)

編集部より:この記事は長谷川麗香氏のブログ「指数を動かす米議会」2024年4月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「指数を動かす米議会」をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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