広州FCは、クラブ公式SNS(WeChat)のアカウント上で、「様々な取り組みを行ってきたが、過去に多額の負債を抱えてきたため、返済するために調達した資金が不十分だった。広州FCは最終的にプロリーグに入会することができなかった」と報告し、サポーターへ謝罪した上で、クラブの歴史に幕を閉じた。
スーパーリーグを経験しながらも、中国経済の停滞やコロナ禍の影響を受け解散や合併に至ったクラブは広州FCの他にも、天津天海(2020年解散)、江蘇FC(2021年解散)、北京人和(2021年解散)、重慶両江競技(2022年解散)などが挙げられ、下部リーグも合わせれば30から40にも上ると言われている。
現在中国では、スーパーリーグ、甲級リーグ、乙級リーグとも16クラブによるリーグ戦を維持できてはいるが、乙級リーグともなれば、北京理工大学足球俱楽部のような学生クラブが存在するのが現実だ。
中国代表チームも強化が進まず
不動産バブル崩壊、コロナ禍の追い打ちに加えて中国では、汚職が蔓延ったことでファン離れを招きつつある。CFA会長のチェン・シューユエン氏や、副会長のドゥ・ジャオツァイ氏らが摘発され、他にも10人以上のCFA関係者が汚職の捜査対象だという。
中国代表チームも強化が進まず、2026年のFIFAワールドカップ(W杯)北中米大会からアジア枠が「8.5」と大幅に増えた(カタール大会までは「4.5」)にも関わらず、アジア最終予選では日本代表相手にアウェイで0-7の惨敗を喫し、ホームでも1-3で一蹴された。
W杯のアジア枠増は、FIFA(国際サッカー連盟)にとって重要なスポンサーでもある中国を出場させるためとも囁かれているが、当の中国が経済的にサッカーどころではない状態にあり、2034年W杯招致からも早々に手を引いた。一方で開催国に決まったのが、かつての中国のように国家ぐるみでサッカーに資金を投入し、国内リーグのサウジ・プロフェッショナルリーグにビッグネームを揃えているサウジアラビアというのも皮肉な話だ。