天敵の脅威は群れ全体で警戒することで回避し、餌資源についても群れで分け合ったり、餌資源の豊富な場所を共有することで、食糧難を免られるようになりました。

特に人間は家畜や栽培、住居の確保を行うことで、天敵や食糧難をほとんど遠ざけることに成功した珍しい種です。

このような環境が担保されているからこそ、ヒトを代表とする一部の霊長類は1人の子供をしっかり育てる方式が主流になったのだと考えられ、双子を標準で生んで子供の生存率を高めるという性質を失ったのだと考えられるのです。

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参考文献

Twins were the norm for our ancient primate ancestors − one baby at a time had evolutionary advantages
https://theconversation.com/twins-were-the-norm-for-our-ancient-primate-ancestors-one-baby-at-a-time-had-evolutionary-advantages-237420

元論文

The Evolution of Primate Litter Size
https://doi.org/10.3390/humans4030014

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部