次は恩赦と減刑の乱発の話。
バイデンはアフリカ訪問出発当日の12月1日遅くに、ハンター・バイデンに恩赦を与え、連邦銃器法違反容疑での有罪判決と連邦税法違反容疑での有罪答弁を免除すると発表するや、逃げるように機上の人となった。これまで繰り返し息子への恩赦はあり得ないと述べていたことから、発表は全米に衝撃を与え、共和党員だけでなく民主党員からも批判を招いている。
バイデンは1日の声明で、息子が別の姓を持っていれば銃の罪で起訴されることはなかったとし、息子の事件には「生々しい政治:raw politics」が影響していると述べた。が、この4年間を見れば「司法を武器化」してトランプを「生々しい政治」に引き込んだのは、むしろバイデン政権ではなかったか。
バイデンは12月23日、息子の恩赦を中和するかのように連邦死刑囚40人の内37人を死刑から仮釈放のない終身刑に減刑、他に39人の恩赦と約1,500人の減刑も発表し、1日当りの恩赦新記録を樹立した。同日の『Hill』は息子を恩赦したことで、他の者も恩赦せざるを得なくなったと書いた。また保守派司会者のヒュー・ヒューイットは「X」に、「バイデンがこうした決定を下す精神的能力がないことは誰もが知っている」などと投稿した。
最後は大統領市民勲章と大統領自由勲章の話。
大統領市民勲章は民間人に対する2番目に高位の勲章で「自国や同胞のために模範的な奉仕行為を行った」米国民に授与される。今回叙勲する20名の中にJ6事件を調査した下院特別委員会の民主党ベニー・トンプソン委員長と共和党リズ・チェイニー副委員長がいる。チェイニーの叙勲理由は「公職に就いて20年、声を上げて、党派を超えて、我が国と我々が支持する理想を守ろうとしてきた」ことだそうである。
そのチェイニーについて保守派の論客ジュリー・ケリーは自身のコラム『Declassified』でこう難じている(要旨)。