古代文明の可能性と宇宙的つながり

 インガストーンには天文学的な側面も注目されている。石の表面にはオリオン座や天の川などの星座が刻まれており、これがブラジル最古の天文学的記録の一つである可能性が指摘されている。星や星座が描かれることはブラジル先住民の文化では一般的ではなかったため、これが特に異例である。こうした描写が宗教的な儀式や天体観測に関連していたのか、それとも別の目的を持っていたのかは、現在も研究が進められている。

 ブラジル先住民の一部、特に東アマゾン地域のティクナ族は、天文現象を「天に残された足跡」として神話的に解釈する文化を持つ。しかし、インガストーンの彫刻は純粋に神話的な要素以上に科学的な目的を持っていた可能性もある。この議論は研究者の間で意見が分かれており、未だに結論には至っていない。

 また、一部の学者はインガストーンを地球外生命体の痕跡と結びつける仮説を提唱している。宇宙的な描写や彫刻の精密さが、その説の根拠とされているが、この点も確たる証拠に欠けている。いずれにせよ、この石が古代の知識や技術を反映していることは確かであり、これがいかなる文明によって作られたのかという問いは、考古学的な興味をさらにかき立てている。

『インガストーン』の謎!6000年の時を超える古代の叡智は宇宙からのメッセージなのか
(画像=画像は「YouTube」より,『TOCANA』より 引用)