現在の保守派は、反共主義を重視するオールドライトと、親企業主義を掲げるニューライトが混在した形態であると評価されています。
しかし韓国の保守派が批判される主な理由の一つは、主張が常に同じであることです。韓国の保守派は「経済と安全保障は保守に任せるべきだ」とし、「北朝鮮が我々を脅かしている」とネオコン的な外交政策を掲げるのが特徴です。
しかしこれは、朴正煕時代から変わらない内容だと言われています。そのため、保守政党への投票率は高齢層以外年々低下しています。さらに、昨年の戒厳令の件により、韓国の保守は今や内乱を企てた政党とまで見なされています。それどころか、保守系の某議員は「大統領が正に大韓民国」だと、弾劾に反対しています。
ちなみに、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のことですが、 就任前にフリードマンやミーゼスの著書を読んだと述べていましたが、実際には特殊活動費や外遊費用を増加させたり、海外直接取引の禁止を発表して批判を受け撤回するなど、自由主義の理念からは程遠い行動を取っています。特に、民主党の「予算削減」を口実に「反国家勢力」の処断を掲げ、戒厳令を発布したことは、彼が決して自由主義者ではないことを証明しています。
こうした尹大統領の暴挙により、韓国の保守派は再び弾劾の危機に直面しています。建国以来、韓国の保守派は「自由」を掲げながらも、権威主義と親企業政策を推し進めてきました。韓国が現在抱える多くの問題は、こうした保守派の責任でもあります。自らの過去を振り返り変化を図らなければ、保守派に未来はありません。