日本の社会もバトンタッチが必要です。そして新しい考え方を取り入れ、社会にもっと刺激を与え続けなくてはいけません。私が自民党に厳しい意見を持つのも違う時代が来たのだ、という意味なのです。

1945年に戦争が終わり、今年は80年になります。「もはや戦後ではない」という言葉は1956年に生まれました。戦後わずか11年後です。私は「もはや失われた30年ではない」と宣言し、新しいテーゼを持つべきだと考えます。それは日本の近未来を国民の共通の意識として持つものであってほしいのです。

政府はデフレ脱却すら発表していませんが、これもテーゼの一種であり、数字を確認して批判をかわしながら恐る恐る発表するのではなく、国家の向かう先を見せる指針であるべきなのです。そういう意味では政府は少なくとも6カ月間はリスクを恐れ、批判を逃れるためにさぼっていると思っています。

日本が目指す方向ですが、上手なキャッチコピーは思い浮かびませんが、私は「1億2千万の瞳が輝く躍る世界」を意識したいですね。技術が進歩し、20年代後半は大きな革新が起こりえるでしょう。その時、個々の人間が本当に幸せを感じることは何かといえば最新技術とは裏腹にそんなに目新しいことではなく人々の絆であり、笑顔であり、コミュニケーションだと考えています。

人間はAIに支配されないし、ロボットでもないのです。ロボットには笑いもしないし、涙も流しません。人間が人間らしく生きられる社会、それが日本が目指す世界であり、私は必ず今よりもっと素晴らしい社会ができると確信しています。

皆さんと今年も手を取り合って頑張りましょう。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年1月1日の記事より転載させていただきました。