この事実は性同一性に障害を持つ人々が鏡を見るのを避けたり、体の性別を隠すような服を着るというデータの裏付けになります。

自分の体の性別に違和感がある場合、自分の体の性を確認することは苦痛だからです。

そのためVRを通して異性の体を所有することは、これら性別に違和感のある人たちにとって心の安らぎになると考えられます。

また今回の経験では異性の体を所有することが、異性に対する理解を増すという興味深いデータも得られており、病的な性的倒錯患者に対する治療としても効果があるかもしれません。

もちろん、レクリエーションとしての異性体験も需要があるでしょう。

VR技術が進歩した未来では、誰もが自由に性別を体験できるようになるかもしれませんね。

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参考文献

Experiencing the illusion of having an opposite-sex body in virtual reality can shift aspects of gender identity
https://www.psypost.org/2020/12/experiencing-the-illusion-of-having-an-opposite-sex-body-in-virtual-reality-can-shift-aspects-of-gender-identity-58891

元論文

Experiencing the illusion of having an opposite-sex body in virtual reality can shift aspects of gender identity
https://doi.org/10.1038/s41598-020-71467-z

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。