リアルなTS(性転換)体験は、男の中の漢も乙女にしてしまうようです。
2020年9月1日に『Scientific Reports』に掲載された論文によれば、VR(バーチャルリアリティー)を使ったTS体験が、実験参加者の心の性別を容易に動揺させ、異性化の方向に働きかけていたことが示されました。
実験参加者の多くは性転換願望のない人々でしたが、それでも心に大きな影響を残したようです。
私たちが持っている自然な性別意識(男らしさ・女らしさ)は、簡単な疑似体験で崩れてしまうような脆いものなのでしょうか?
結論から言えば、そのとおり。僅かな時間の性転換体験でも、被験者たちの性認識は可逆的ながらも甚大な影響を受けていたのです。
>参照元はこちら(英文)
目次
- 性同一性を維持しているのは何か?
- 性同一性は異性の体を所有すると大きく変動する
性同一性を維持しているのは何か?
心と体の性別の一致(性同一性)は、産まれてから積み上げてきた経験によって形作られます。
しかし、作られた性別意識が、長い人生の間、どのように維持されているかは明らかになっていません。
維持の原動力が内面的な心か、外観的な見た目かを調べるには、究極的には、漫画や映画のように心と体が入れ替わる必要があります。
男女の体が入れ替わっても、内面的な男らしさや女らしさを維持できれば、性同一性の維持の原動力は内面と言えるでしょう。
逆に内面の男らしさや女らしさが体の見た目の性別に引きずられるなら、外観的な要因が主であるといえます。
問題は、そんな都合のいい証明方法が科学的にはありえないことでした。
少なくともこれまでは…。
技術の進歩はそんな不可能を部分的に可能にしました。
最新のVR技術を使うことにより、男性に女性の体を、女性に男性の体を与え、さらに現実で体を触られる感覚をVRの映像と同期させるというリアリティー溢れる体験をさせることに成功したからです。