セミディラックフェルミオンは、私たちになじみ深い電子と、有効質量ゼロのディラック電子(理研でも観測例がある)を“掛け合わせた”ような存在といえます。
研究者らは、この特性を解き明かすことで、物理学の新次元へと踏み出すとともに、バッテリーやセンサーなど、既存の技術概念を覆すような新しい応用への道が開けると期待しています。
とはいえ、「進行方向で有効質量が出たり消えたりする」という話は、直観的には受け入れ難いもの。いったいどんな手品で、この不可思議な観測結果が得られたのでしょうか?
一方向に移動するときだけ質量を持つ粒子を発見!
第4位:因果律崩壊?光が原子雲に入る前に原子雲から出ていくのを観測
カナダのトロント大学で行われた研究により、原子雲に向けて発射された光の粒子が、原子雲に入るよりも前に、原子雲から出てきてしまったことが実験的に観測されました。
これまでの研究により、液体や気体など媒体の中を通過する光を遅らせたり、完全に停止させるなど遅延の極大化が行われてきましたが、今回は逆に遅延をゼロを超えてマイナスにすることを実現したのです。
研究者たちによれば、この現象は光子に負の時間が流れていたと解釈できると述べています。
この奇妙な現象は、どんな原理で起きたのでしょうか?
因果律崩壊?光が原子雲に入る前に原子雲から出ていくのを観測
第3位:絶対零度を超える負の温度は「この世の何より」も熱い
イギリスのケンブリッジ大学(Cambridge)で行われた研究により、絶対零度を超えて負の温度に達した「この世の何よりも熱い」物体を、さらに全くの未知の状態の「何か」に進化させることに成功しました。