アメリカ東部アパラチア山脈周辺に存在した、青い肌を持つ一族「ファゲイト一族」。その奇妙な外見の背後には、遺伝と孤立した生活が織りなす驚きの真実が―――。近親交配が引き起こした遺伝子の影響とは?青い肌の謎と、一族がたどった数奇な運命とは。

■ファゲイト一族とは?

 アメリカ東部のアパラチア山脈周辺は、近年に至るまで地理的・文化的に隔絶され、開拓時代から独自の生活様式や信仰が維持されてきた地域。「青い肌の一族」ファゲイト一族は代々この地域に住んでいた。

 一族の歴史は、青い肌を持ったフランス人孤児、マーティン・ファゲイトが、1820年に東ケンタッキー州のトラブルサム・クリークという場所に住み始め、エリザベス・スミスという女性と出会い、子供をもうけたときから始まったと伝えられている。この時生まれた7人の子どもたちのうち4人が、青い肌を持って生まれたそうだ。

 その後も、子孫たちは、青い肌を持った人が数多く現れるようになる。特に、13人もの子どもをもうけ、84歳で亡くなったルナお婆ちゃん(4代目)の青い肌は、「一族の中でも一番だ」として話題になるほど青かったそうだ。