規制の必要性と未来への警鐘

 過去10年で宇宙への打ち上げ回数は急増しており、2008年から2017年の年間平均82回から、2018年以降は年間133回に増加している。将来的には現在の約1万基の衛星が10万基に増加すると予測されている。この「宇宙ごみ」の増加は、放置すれば地球環境全体に深刻な影響を及ぼす可能性がある。

専門家が警鐘!宇宙ゴミが連鎖的に衝突を引き起こす「ケスラーシンドローム」とは?
(画像=2021年に国際宇宙ステーションから放出されたNASAのバッテリーパレット(写真)が、3年後の今年4月にフロリダ州の民家に墜落した。 画像は「Daily Mail Online」より,『TOCANA』より 引用)

 宇宙プラズマ物理学者デビッド・マラスピーナ氏は、「ケスラーシンドロームが始まると、最初は小さな破片からその兆候が現れるだろう」と警告している。さらに、元NASAの物理学者シエラ・ソルター=ハント氏は、衛星が焼却される際に生じる金属粉塵が地球の磁場を歪ませる可能性を指摘している。

 これらの警告を受け、専門家たちは産業界と政府が協力して国際的な規制を確立する必要性を訴えている。ビシュヌ・レディ氏は、「業界が自主的にガイドラインを設定することが大きな助けになるだろう」と述べている。

 ケスラーシンドロームが現実化すれば、通信や気象観測、さらには私たちの生活全般に影響を及ぼす恐れがある。科学者たちの警鐘は、単なる理論ではなく、差し迫った現実の問題として捉える必要があるのかもしれない。

提供元・TOCANA

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