日本のメディアは27日、石破茂首相が間もなく公邸に引っ越しする予定だと報じた。引っ越しに際しての石破首相の説明がいい。「自分はオバケのQ太郎世代だから、(幽霊は)たいして怖くない」というのだ。
「公邸」と「幽霊」の話は長い。首相時代に公邸に住んだ首相もいたが、さまざまな理由から公邸に引っ越しするのを避けた首相もいた。当方は11年前、「公邸の幽霊は人を選ぶ」というコラムを書いた。首相の立場からではなく、幽霊の視点から、幽霊も首相を選んで出現するという内容だ。
このコラム欄の読者の皆さんは既にご存じだと思うが、当方は過去、幽霊については結構、頻繁に書いてきた。幽霊は当方には欠かせられない現実の存在だからだ。幽霊の存在や彼らの考えを理解しないと、問題が解決できないことがあるからだ。それだけ、幽霊は地上で生きている人間にさまざまな影響を与えているのだ。
「幽霊」といえば、どうしても書かざるを得ない話がある。スウェーデンの国民作家と呼ばれるヨハン・アウグスト・ストリンドベリ(1849~1912年)は、霊魂をキャッチするためにガラス瓶をもって墓場に行ったというのだ。
また、スウェーデンのカール16世グスタフ国王の妻シルビア王妃は、首都ストックホルム郊外のローベン島にあるドロットニングホルム宮殿について「小さな友人たちがおりまして、幽霊です」と述べたことがある。ドロットニングホルム宮殿は17世紀に建設され、世界遺産にも登録済み。王妃は、「とても良い方々で、怖がる必要なんてありません」と強調している。国王の姉クリスティーナ王女は『古い家には幽霊話が付きもの。世紀を重ねて人間が詰め込まれ、死んでもエネルギーが残るのです』と説明しているほどだ。
日本の皇室関係者が「幽霊」の話をしたとは聞かない。日本には幽霊がいないのではなく、幽霊が反社会的な存在として嫌われているからかもしれない。