労働時間あたりGDPではサウジアラビア(53.2ドル)やカタール(52.6ドル)、アラブ首長国連邦(41.7ドル)を抜いてイスラエル(57.3ドル)の水準が高い事になります。

日本よりも水準が高いのがイスラエル、サウジアラビア、カタール、バーレーンの4か国だけとなり、労働者1人あたりGDPでは7か国が上回っていたのと比べると随分と数が減ります。

トルコ(40.4ドル)も労働時間あたりGDPでは日本を下回ります。

4. 労働時間あたりGDPの推移

最後に、中東・CIS諸国の労働時間あたりGDPの推移を眺めてみましょう。

図4 労働時間あたりGDP 実質 購買力平価換算値 中東・CISILOSTATより

図4が中東・CIS諸国の労働時間あたりGDPの推移です。

イスラエルは2005年の段階で既に日本を上回っていて、2023年には大きく差が付いている状況ですね。

トルコは2005年では23ドル程度で日本よりも随分低い水準でしたが、近年では肉薄しています。

サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンなどの産油国は、労働時間あたりGDPで見ても不安定な印象です。

一方で、ロシア、カザフスタン、トルクメニスタンなどは緩やかに上昇傾向が続いている印象で、日本との差も縮まっているようです。

5. 中東・CISの労働生産性の特徴

今回は中東・CIS諸国の労働生産性についてご紹介しました。

サウジアラビア、カタールなどの産油国は非常に高い労働生産性に達していますが、時系列で見ると不安定な印象です。

イスラエル、トルコなどは順調に生産性が向上していて、特に労働者1人あたりGDPでは両国とも日本を上回ります。

CIS諸国は日本との差もまだ大きいですが、少しずつその差は縮まっているようです。

ノルウェーもそうですが、やはり資源の豊富な国は労働生産性が高い傾向にありますね。

ただし、ロシア、イランなども資源国ではありますが、サウジアラビアなどと比べると大きく劣るようです。