昨年の「今年のつぶやき」で「こんな政治を誰が予想した」と題し、長期化する岸田政権や自民党分裂論を述べました。自民党が二分裂することはないという私の意見は全否定され続けたわけですが、岸田政権の末期は自民党裏金問題に追われ、安倍政権末期のモリカケ桜問題の時と同様、野党の攻勢と世論の不満に押されまくりでした。ただ、個人的に見れば自民党の権力関係や長老政治を含め刷新が急務だったわけで長期的には良いきっかけだったと思っています。

今年の政治はSNSイヤーとされますが、平たく言えば若い人を含めて政治に高い関心を持って頂いたきっかけの年だったと思います。都知事選では56人も候補者が出るし、兵庫知事選では長いバトルがいまだに続きます。そして秋の衆議院選は与党が過半数割れ、ドンを失った公明党も凋落、変わって若手に強く支持された国民民主の躍進は想定以上でした。選挙で議席を伸ばした立憲の陰もすっかり消えたなと。個人的には立憲の安住淳氏は時代にマッチしていないと思います。立憲がイメチェンをしたいなら彼の切り口ではもう駄目でしょうね。政治がプラス思考に変わってきているのです。

その中で保守派からは大ブーイングの中、スタートした石破政権。持たないぞ、と言われながら10月1日から既に概ね3か月。私は100日間のハネムーン期間は批評しないと申し上げました。100日を少し超えますが、トランプ氏と1月中旬に会談があればそれ以降が石破氏に対する本格的な初期評価となります。少数与党しかも自民党の中では主流派とは言えず、力ある議員が後ろでブーたれるだけで力を発揮できない自民党組織がこのような体たらくでよいのか、不倫しても許された玉木氏を推す若手の声、この時代の変化の風が吹き荒れたのが24年の特徴だったと思います。

石破茂首相 首相官邸HPより

国際編 人々はチェンジを求めた

オバマ元大統領の2008年のスローガン、Yes! We can change!。あれから16年経って世界中の人はこのスローガンを言葉遊びではなく選挙行動を通じて見せたと思います。選挙イヤーであった2024年は物価高など今の生活に不満な声が反映され、各国で与党が弱体化、ないし敗退していきました。政党は関係なかったと思います。とにかく現状を打破し新風を求める、これが流れでした。ここカナダも1月末に内閣不信任案が提出されそうなのでいよいよトルドー氏も決断をしなくてはいけないところに追い込まれています。