「初心忘るべからず」の由来
ここからは「初心忘るべからず」の由来を解説します。
由来とされる能を確立した「世阿弥」の言葉
「初心忘るべからず」は「世阿弥」の『花鏡』にある言葉が由来とされます。
「世阿弥」は室町時代に活躍した能役者・能作者で、観阿弥の長男です。
2代目の観世大夫として知られ、代表的な書物に『風姿花伝』『花鏡』『至花道』他20余部の伝書があります。
他にも能の代表作としては『高砂』『老松』『清経』『井筒』『砧』『班女』『融』などがあり、世阿弥は能を確立した人物の1人として知られます。
「初心忘るべからず」はそんな「世阿弥」の言葉から来たことわざです。
『風姿花伝』にある名言「秘すれば花」
「世阿弥」の伝書『風姿花伝』には「秘すれば花」という言葉があります。
「秘すれば花」は、あえて隠すことの中にこそ感動があることを指します。
言葉自体は秘めるからこそ花になる、逆に秘めねば花としての価値は失われてしまうということを意味するそうです。
世の中はすべて知ってしまうと面白みに欠けてしまうものです。
むしろ、知らないことがあるからこそ面白いのではないでしょうか。
「秘すれば花」にはそんな意味合いが込められているので、併せて覚えておいてはいかがでしょうか。