もともとは闘犬のために作出された犬種であり、闘犬用として輸入されたスタッフォードシャー・ブル・テリアをベースに、他の闘犬と掛け合わせて作られました。
(アメリカン・ピット・ブル・テリアに加えて、アメリカン・スタッフォードシャー・テリア、アメリカン・ブリーなど同様の方法で作出された犬種は、「ピットブルタイプ」と呼ばれています)
こうした経緯から分かる通り、ピットブルは戦うことに特化しています。
個体による違いはもちろんあるものの、戦闘態勢になるまでが非常に早く、人間や他の動物を殺傷できる攻撃性を持っています。
特にアゴから首にかけてが太く発達しており、他の犬種よりも噛みつく力が圧倒的に強いと言われています。
そして実際に、ピットブルに関連した事故がこれまでに多数生じてきました。
ピットブルが引き起こした咬傷事故
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の2000年の研究では、1979~1998年にアメリカで致命傷を与えたイヌの犬種が分析されました。
調査では、この20年間に、少なくとも25種類のイヌが人間を襲い、238件の「咬傷による死亡事故」を引き起こしていると分かりました。
そしてこれら死亡事故の67%はピッドブルタイプとロットワイラーによるものであり、研究チームは、「死亡事故には犬種特有の問題があると思われる」と結論付けています。
また、アメリカのアーカンソー医科大学(UAMS)の2016年の研究では、アトランタの施設で扱われた4年間にわたる1616件の「犬の咬傷事故」が分析されました。
その結果、ピットブルタイプのイヌは、他のイヌに比べて、複数の部位を噛む可能性が2.5倍高いと報告されています。
さらに、ピットブルタイプのイヌに噛まれた子供が手術を必要とする可能性は、他のイヌに噛まれた子供の3倍でした。