当然メディアも同じです。例えばご本人が言っているので間違いないのでしょうけど、高橋洋一さんは日経新聞など主要メディアには出ないのです。せいぜい夕刊フジ経由で産経に時々出るぐらい。困ったことに官僚にしろ、メディアにしろ、いわゆる引き継ぎ書で〇✕リストを作ってあり、新任の人は前任からの引継ぎはしっかり守るので新風がないとも言えます。思うに主要メディア受けするのは事実を客観的に分析するだけのコメンテーター。高橋氏にしろ、ひろゆき氏や堀江貴文氏にしろボイスに強烈な色がついているのでコメントをもらいにくいということなのでしょう。

日経新聞のThink欄にコメントを書く方は有識者ということだと思いますが、ほぼ毎回、似た顔ぶれであります。主体は日経の編集委員、そしてあとは日経でよく参照される有識者たち。逆に言うと付き合い範囲が知れているともいえるのです。私が日経ビジネスを25年ぐらい毎週欠かさず読んでいると申し上げていますが、これも取材される企業がある程度決まっているのです。「またこの会社の特集かぁ」と残念なことはしばしばです。切り口に新味が全然ないのです。記者はもっと足で稼がなくては駄目でしょうね。

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では識者は本当に正しいのか、と言えば私の解釈は「一定以上の基礎知識および専門分野の深い知識を持つがその解釈は識者の自由であり、読み手がその解釈に賛同するかどうかも別次元」だと考えます。「国際学会等でどれだけ議論をして認知されたか」が本当の実力の尺度の一つかもしれません。もちろん国際学会で評価を受けたからと言ってそれが必ずしも正ではないとも申し上げます。

お前の言うことを聞いているといったい誰の話を信じたらよいかわからないじゃないか、と思われるでしょう。それは皆さんが考えるしかないのです。最終の評価は皆さんが行えばよいのです。たとえばこのブログでは毎日たくさんのコメントを頂きます。そして多くの方はしっかりした考えを提示してくださっています。私は識者ではなく、単に議論の話題を提供しているだけですが、皆さんの博識ぶりにただただ「よくご存じで」と申し上げるしかないのです。