なんとかならないだろうかと思案していると、娘の竿がいきなり大きな円弧を描いた。グィングィンと激しく引き込まれているので「これは青物だろう」思いつつ眺めていると、船長のアシストのタモに収まったのは、丸まるとしたイナダ。船中第一号となる魚を掲げる娘は、ニッコリと微笑む。
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水谷さんに1kg超ヒラメ
その後もオケの中のイワシは一向に減らず、元気に泳ぎ回っている。船長は交互に横流しを繰り返しながら、ここぞと思うポイントを次々に探っていく。誰もが一心不乱に竿先を見つめ続けるが、依然ヒラメからのシグナルが届かない。
私もハリス、ステイトを短くしたり、竿先をゆっくりと上下させたり、誘いをかけてみるが変化はない。
沖上がりまで、1時間半残す時間となったころ、心なしか潮色がいくぶん澄んできたようだ。すると、左舷トモに座る水谷さん(足立区)の竿が曲がり、1kg超えの肉厚ヒラメが取り込まれた。
水谷さんは「ようやくきたアタリなので、何としてもモノにしたいとじっくり食わせたよ」と言いながら魚を掲げてくれた。
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娘にナイスサイズ
右舷に戻ると、娘も湾曲した竿を抱え、懸命に巻き上げている。船長もタモを手にして飛んで来てくれ、「ゆっくり慎重に巻きなよぉ」と声援を送る。
やがてナイスサイズのヒラメがゆったりと姿を現わすと、あわてることなく竿を操作。魚の頭をタモへ向け、滑らすようにして見事にネットイン。ナイスサイズを掲げるとまたもやニッコリ。
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今宮さんに肉厚ヒラメ
「私もあとに続かねば」と誘いをかけるが音沙汰なし。そのうち右舷ミヨシの川口市から来た今宮さんの長竿が見事な放物線を描く。カメラを手にして飛んで行くと、少し小ぶりだが肉厚ヒラメが取り込まれた。