ビーズのような黒い目、ほんのり紫色の触覚、ピンク色のほっぺ、ふわふわの羊毛に見える緑色の突起。

この激かわな生き物は「テングモウミウシ」と呼ばれるウミウシの一種です。

その見た目が羊にそっくりなことから英名では「葉っぱの羊(Leaf sheep)」だとか、海世界の「ひつじのショーン(Shaun the Sheep)」と呼ばれたりしています。

また可愛いだけではありません。

彼らは藻類から葉緑体を盗んで、光合成をするスーパー能力を持っているのです。

目次

  • 海世界の「ひつじのショーン」はどこにいる?
  • 葉緑体を盗んで「光合成」ができる!

海世界の「ひつじのショーン」はどこにいる?

ウミウシは世界に数千種類が知られている軟体動物の「後鰓類(こうさいるい)」の一群です。

種によって様々に異なる鮮やかな体色模様を持っていることから、しばしば”海の宝石”と呼ばれています。

その数多いるウミウシの中でも、ずば抜けた可愛さを誇っているのが「テングモウミウシ(学名:Costasiella kuroshimae)」です。

テングモウミウシは白い顔に小さな黒目が2つ付いており、頭部からは2本の触覚が生え出ています。

これらは「嗅覚突起(rhinophore)」と呼ばれる器官で、海水中の化学物質を感知して餌を見つけるのに役立っています。

また彼らの全身は「セラタ(cerata)」と呼ばれる綺麗な緑色の突起で覆われています。

これは体内のガス交換のための表面積を大きくする役割があるという。