中米のホンジュラスが台湾との国交を断絶し、中国と新たに国交を結んだと報じられています。これ自体は報じられるほど重要な問題だとは個人的には考えていません。そもそも台湾が国交を持つ国はもともと中国との関係が薄い小国が主体でした。今般、政治問題化になったために中国がそれら小国に餌まきをして台湾を窮地に追い込むという心理的作戦に出ているだけです。
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国交問題が重視されないのは日本も1972年に中国との国交を樹立した時点で台湾と断交しているのです。アメリカだって同様です。そもそも論として台湾は中国とは別の独立国家か、と言われれば主要国を含め誰もそれをYESとは言っていないのです。現状の維持を支持すると言っているだけです。
台湾で不人気の祭英文総統がアメリカに向かうと報じられていますが、正しくはまだ国交があるグアテマラとベリーズを訪問する際にアメリカを中継するわけです。その復路にはアメリカの大統領継承第3位の下院議長であるマッカーシー下院議長と会談します。前回は民主党のペロシ議長が台湾を訪れ、中国の猛反発を食らいました。今回は共和党の下院議長との面談になりますが、個人的には深入りした話は出てこないとみています。アメリカとしてはいくら米中の緊張が高まっているとしても踏み込みにくいのです。理由は仮にそんなことをすれば中国は弱い者いじめのように台湾を威嚇するのが目に見えているからです。