クリスマスクラッカーは、筒状のキャンディのような形をしたもの。クリスマスディナーをいただく前、両手を交差させて、テーブルの隣に座っている人とクラッカーの片方の端同士をもち、一気に引っ張ると、「パンッ」という大きな音がして中味が出てくる、というしくみです。

この中に、クイズが書かれた紙、おもちゃ、それに紙でできた王冠が入っている。開けたら、まず王冠を被る。これがちょっと照れくさいのだけれど、「クリスマス」ということでその気になって被る。ここでクイズをやる場合もある。しょうもないジョークが書いてあることが多いが、それがまた面白いのである。

遅めのランチの後、おなか一杯食べたために、眠くなる。そこで、お昼寝をするか、あるいは子供たちを連れて公園に行く。「外に歩きに行く」というのも伝統的な光景である。

そして・・・午後3時。一大イベントが始まる。

英国では、君主がテレビでクリスマスのメッセージを国民に送るので、それを視聴するのである。

オンデマンドで後でも見れるようになっているのだが、15分間のメッセージである。高齢者の中には、起立してメッセージを見る人もいるという。

クリスマスメッセージの後・・・ゆっくりする。食べては眠り、起きてはまた食べ・・・同時にネットやテレビを見たり、音楽を聴いたり。家族でゲームをしたり。

こうして、クリスマスの夜は過ぎていく。

クリスマスプレゼントをいつ交換するのかは家族によって異なるようだが、筆者の家では25日の朝である。

クリスマスが終わると・・・

クリスマスが終わると、年末までに部屋の中に置いておいたツリーをゴミに出す。クリスマスプレゼントを包んでいた紙もゴミに出す。

あとは31日の大みそかを待つだけになる。

喧嘩をせず、涙を流さず、ロースト料理も大失敗はなく、君主の演説を聞くところまで行ったら、「大成功」である。

日本ではキリスト教徒ではない人が大部分だろう。しかし、この機会に「愛、喜び、家族、与えること」について考えてみるのも悪くないだろう。